【感想】日本のマラソンはなぜダメになったのか
今読んでいる本。タイトルがショッキングなので興味を惹かれて。
日本のマラソンはなぜダメになったのか 日本記録を更新した7人の侍の声を聞け! (Sports graphic Number books)
- 作者: 折山淑美
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2016/11/29
- メディア: 単行本
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昔は本の虫だったけど、最近読書の習慣があまりないので、稚拙な感想しか残せないけど(ごめんなさい)読んでて一番思ったのは、昔の名選手の練習量はハンパないなぁってこと。
今の実業団選手の中にもたくさん練習される方はもちろんいらっしゃると思うけど、怪我をさせることを恐れて、指導者が練習をセーブさせていることも一因なのかも。
あと本書にもあったけど、マラソンに勝つためにというよりは、トラック競技や駅伝の延長でそれを捉えている節があり。
宗兄弟、瀬古、中山選手らレジェンド世代の全盛期は、僕も小さかったのでうろ覚え、それでもロサンゼルス五輪とかはリアルタイムに見ていたし(メダル獲得はならなかったけど)、当時の日本の男子マラソンは強い!という印象はあった。
2:02代へ記録が高速化した現在でも、その頃のタイムからも見ても停滞している状況。全体順位ではなく、日本人1位ということにステータスが与えられる。世界はますます遠くなる…,
最近、瀬古さん(2020東京オリンピック強化戦略プロジェクトリーダー)が、よくレース後にダメ出しする気持ちも少しわかる気がする。危機感がないと。
本書の証言にもあったけど、「持ちタイム」を意識しすぎている部分もあるのかな。
持ちタイムが違うからどうせアフリカ勢には勝てない、みたいな諦観。
今年の東京マラソンの設楽選手なんか途中までいいペースで良かったなぁと思うけど、実力的には世界トップにまだ及ばないにしても、そういう積極性が大事だし求められているんだろう。
最強の市民ランナー、川内優輝選手なんかは大会を練習がわりに参加することで有名だし、全体としてマラソンに対して一心不乱に取り組む姿勢が欠けているのかも知れないね。
一昔前は、絶対負けたくない!とガツガツして自分以外みんなライバルみたいなところがあった。
物議を醸した中山竹道選手の「這ってでも出てこい」発言は有名だけど、そういうお互い切磋琢磨するライバルの存在があった。
あいつがやっている練習のさらに上をやってやろう、みたいな競争心とプライドがあった。
今は昔に比べ物的にも豊かだし、情報インフラも発達して他人との比較も容易、でも逆にハングリー精神が醸成される社会環境にないのかも知れない。
そういう意味では今の選手は大変なのかも知れないけど、その他大勢の中で勝つのではなく、日本記録を更新して世界に挑戦してやろうくらいの人が出てきて欲しいなあと思う。
あとがきの、川内優輝選手の分析や、名工の三村仁司氏の考察はとても興味深かった。
練習内容などは市民ランナーには真似ができないけど、モチベーションを上げたいなーと思う人にはオススメです。
自分もライバルという人は特にいないけど、あえて言えば自分自身がライバル。今までの俺に勝てた!というのが喜びかな。だからPB更新は常に目指していきたい。
サブスリーにもまだまだ満たないおっさんの拙い読書感想でした。
今朝は雨予報だったので走らず。
夜降ってなかったら軽く走りたいな。
勝ちたきゃ四の五の言わず、愚直に練習あるのみ。